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『俳壇年鑑二〇二一年版』に次の方が作品を寄稿。

栗山政子
つくづくし摘めば摘むほど空遠し
落椿ひとつは号泣のかたち
遠雷や絵の具の青が袖に染み
流れくる雲のあやふや桐の花

上田信隆
海荒れの舟屋の魚籠に青蜜柑

小林美喜子
子規の柿わたしの柿と並べをり

髙木胡桃
父の日や瓶に残りしままのジャム

つげ幻象
冬満月明るきほどに遠ざかる

柘植史子
冬瓜を持たされてより子の静か

徳永芽里
秋めくや野の片隅に穴のあき


小林美喜子さんの句集紹介(丹治美佐子句集『空のつづき』が、ふらんす堂通信一六八号に転載されています。

栗山政子さん〈メモ書きが本より落ちて帰り花〉の句が「玉梓」五・六月号(名村早智子主宰)「他誌拝見」に、〈白日の杜の落葉のかぐはしく〉の句が「山繭」五月号(宮田正和主宰)「諸家近詠」にとりあげられています。